四日目

 野方で映像温泉芸社の上映会「映像温泉芸社上映会その21『冷蔵庫マン坂本頼光」を見てきた。

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 前回の芸社20に引き続き上映会を見に行ったわけだけれども、昨年とはまたラインナップというか、趣向が変わっており、去年と違った気分で観劇することが出来た。出展者の多くがイベントに作品制作が間に合わなかったらしく、旧作の上映がメインだったけれども、新参者の僕としては逆に有り難かった。HPがメインページしか更新していなかったことも含め、全体的にイベントの準備が間に合ってなかった印象はあるが、そこはご愛嬌だろう。

 今回は特別ゲストとして冷蔵庫マンこと飯塚俊太郎が登場。初めて生で冷蔵庫マンを見たけど、個人的にはスベリ芸としてもやや中途半端な印象を受ける。ただ時々素に戻ってしまう所とか、どことなく可愛いところがあって、カルト人気がある事も納得できる。

 それにしても、今回冷蔵庫マンの亜種として披露されたブラック冷蔵庫マンは本当に面白くないか?チリチリヘアのカツラが彼のハッキリした顔立ちに良く似合っているから、キャラクター性も悪くないと思うし、外人風の容貌で放たれる洋楽ジョークは、スベり芸の延長だけど不思議な味があって、僕はそのキャラをやってる間は本当に楽しくてしょうがなかった。そんなことを一緒に行った後輩に言ったら、「先輩がエセ外人キャラが好きなだけでしょう」と言われた。そうかも知れない。

 今回のお気に入りは新作である『小木曽と山鳩の羅腐蘇泥』。物語は不条理ながら練り込まれており、フィルムワークやギャグの切れ味も秀逸。

個人的には、とあるシーンで、一般の通行人の方が役者の姿を見て歩く方向を変える瞬間が映っていて、生ものの

興奮と言うか、現実と虚像が入り混じった瞬間を見たような気がしたよ。

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と他の方も仰られているが、その場を通りかかった女性が、主人公の奇妙な風体を見かけるや否や、気持ち悪がって進行方向を変えてしまう場面がある。本当にたまたま撮れてしまったシーンなのだろうが、このように偶然が作品にデティールをもたらすことがあるんだなあ、と感心してしまった。作品は必ずしも必然で成り立っているわけではないのだ。